雪止めの設置は一度行えば、落雪によるトラブルを最小限に抑えられます。
しかし、設置したからといってメンテナンスフリーとは言えません。
日々、雪止めは太陽光や雨水、強風などにさらされるため、定期的なメンテナンスが必要です。
現在では雪止め金具にはガルバリウム鋼板製やアルミ、ステンレス製など、錆びにくく強度に優れた素材が使われていますが、古い住宅では亜鉛めっき製の雪止めが使われており、錆が流出して屋根面を汚すケースが見受けられます。
このような外見の損傷だけでなく、雪止め自体の強度低下も防ぐためには、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
屋根塗装時には、雪止めも塗装し、塗膜保護を行います。
ケレン・ペーパー掛けや下地処理、錆止め塗装を行うことで、塗膜の密着性や耐久性が向上し、劣化速度を遅らせます。
また、屋根塗装を行うことで雪止め設置の下地となる屋根材の寿命も維持できます。
築10年程度で一度、以降は塗料の耐用年数に応じて定期的な塗り替えを心がけることが重要です。
雪止め金具の取り付け方は屋根材や雪止めの種類によって異なりますが、後付け雪止めは特に固定に不安が残ります。
外れやすいデメリットがあるため、屋根材にしっかり取り付け、コーキング材を使用して固定することが一般的です。
数年ごとに固定の確認やコーキング補修・補強を行いましょう。
ただし、屋根材に対して過度にコーキング材を使用すると、毛細管現象を起こし雨漏りの原因になる可能性があるため注意が必要です。
錆が発生・進行している場合は、塗装を行っても雪止め自体の耐久性が回復することは難しいです。
赤く変色や変形が確認できる場合は、雪止め交換を検討しましょう。
屋根材のメンテナンス方法に合わせて適切な雪止めの素材を選ぶことも重要です。
陶器瓦や和瓦などの塗装が不要な屋根材には、アルミやステンレスの素材が適しています。
逆に、化粧スレートや瓦棒屋根材は定期的な屋根塗装メンテナンスを考慮し、ガルバリウム鋼板製の雪止めを選ぶことで色を統一にできます。